ヴィンランド・サガ 著「幸村誠」
ヴィンランド・サガ・・・・・・この漫画を読んだことがない人がいたならば今すぐに読んで欲しい。
そうすれば、この記事を読まなくても、一発でタイトルの意味が分かってくれるからです。
そうなると、この記事を読む意味が薄れるので、それはそれで悲しいような、でも理解しながらも、復習の意味を込めて、差別の感情を理解するために読むというのも一興です。
ヴィンランド・サガとは?
プラネテスの作者、幸村誠が描く北海帝国建国前の11世紀初頭を舞台にした、本格歴史漫画である。
王族、貴族、平民、奴隷、人々が完全に階級で区別され差別される時代である。
そして、壮大で緻密な描写が読むもの全てを惹きこんで離さない。そんな作品がこのヴィンランド・サガという漫画なのです!
王とは何か? 世界とは何か? 人とは何か? そしてなんの為に生きるのか? 全てはこの漫画の中に詰まっていると言ってもいいだろう。人間というものに少しでも興味があるならこの作品を読んでみよう!
さて、今日は漫画の紹介というのは6割くらいで、このヴィンランド・サガという作品を読んで僕が感動した思い出を書いていきます。
差別は現実存在するしかないのである。
差別とはなんだ? そう問われたら真っ先に負の感情や、それに類する状況、虐待やいじめ、不当な扱いを想像していたのが昔の僕である。勿論そんな不当なことを許せないし、納得いかないと思う。しかし、差別の感情は今も昔もなくならない、それは何故だろう? 勿論それは人が人を差別するのは本能に近い行動だからである。理屈や理論、ルールだけで差別は行われていないのである。
偽愛ゆえに差別を繰り返す。
自分にとって無関係な善良な人間1000人の命と、自分にとって愛しい人間、恋人や家族、友人の命どっちが大事ですかと問われると、あなたはどっちを選びますか?
1000人の他人の命か?
家族や恋人、友人の命か?
何もプレッシャーのない状態なら、前者を選ぶ人もいるかもしれない。しかし、本当に、本当にどちらかの命を選択しなければならないなら、後者を選ぶだろう。
見ず知らずの100万人の命と引き替えに、自分の家族を助けるって言う人だっていてもなんら不思議じゃないとすら思う。
そしてこれが、差別でなくてなんなのか? そう問われた時、自分の個人的な感情をもとに恋人や家族を愛するがために他人と比べて差別してないと言えるだろうか?
真実の愛
好きや嫌いといった、人間の基本的な感情が差別を生むなら、もはや人は永遠に真実の愛にたどりつけないのである。何故なら真実の愛とは差別を超越した存在でないといけないからである。(これは僕の思い込みですが)そして、ヴィンランド・サガの中ではこう語られます。愛とは死である。人の中で感情や自我がなくなった状態はもはや死しかないと語られます。死んだ肉体は文句もいわず、土にかえり大地に根付き無償愛を全てに平等に提供すると言うのです。死んでしまえば確かに、誰を差別することもなくなるのだから平等であると言えるかもしれない。そう思った時に僕の目頭は熱くなり何かが分かったような気がしました。(何が分かったのかは今だに不明!)
ただ、何故か凄く悲しいという気持ちでいっぱいになりました。
何故なら、そんな残酷な事実を気づかされたとしても、僕はこれから先も面白いアニメやつまらないアニメの差別を繰り返すのでしょうし、好き嫌いで人を冷遇したり、厚遇もするでしょう。
ただ、差別したり、区別したりすることは、悪でもないし、善でもない。
感情と理性の合作によりやってしまう行動なんだと思うのです。
言うなれば、その人の人間性が差別や区別の量や質を生むだけであり、大なり小なり自我のある人ならではの概念なわけです。
人であるならば、人に対して、区別や差別をすることは避けれられないから上手に付き合おう! そんなこと教えてくれる漫画がこのヴィンランド・サガという漫画なのです。
そして、僕が今もっとも、アニメ化して欲しい作品でもあります。
以上
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